ヨネックス サイバースター NANOV
発売してから時間が経っているので遅れてのレポートとなりますが、月刊ゴルフダイジェスト恒例の年に1回行われるD-1グランプリ優勝ということでどれ程のものか検証したいと思います。発売時は低反発でも飛ぶと結構話題になったクラブだったのでゴルフダイジェスト誌の企画で証明された結果となりましたね。しかしメディアの評価と実際アマチュアが使用するときの評価は大体違うもの。実際に多くのアマチュアゴルファーに使用して頂きました。
今では少なくなりつつあるカーボン複合ヘッドで体積は425cc。とてもきれいな顔をした構えやすいヘッド形状をしています。フェースアングルはストレートですがアップライトでなおかつ多めのリアルロフトでボールを掴まえてくれます。
このクラブはヘッドのポテンシャルで飛ばすというよりはクラブ全体の総合力で飛ばすクラブだと思います。その大きなウェイトを占めるのがシャフトになります。このシャフトはとても手が込んでいるシャフトのようで「カーボンプリプレグシートの樹脂にフラーレンを複合したことで、従来より約5%薄い肉厚でしかも従来以上の強度を実現。さらに、キックポイント付近にゴムメタルを複合。大きなしなりを獲得すると同時に、ダウンスイング時には復元力も大きくなる。」とのこと。確かにインパクト付近で「遅れたかな!」と思ったヘッドが気持ちよく帰ってきます。このクラブはリシャフトするともったいない気がします。

いろんな方に試打して頂いての感想はこのクラブが総合力の高いクラブだというのがよく分かりました。最大公約数的に合う。そこそこスイングが出来ている人は皆さん振りやすいと言ってくれました。また振りやすいクラブというのはヘッドスピードが速いゴルファーがRフレックスシャフトを打ってもそれ程違和感なく振れるのです。基本的なバランスがいいのですぐにタイミングを合わせられるのだと思います。私のショップは幸い広い練習場の中にある為、狭い鳥かごでの試打では分からない先でのボールの曲がりなど多くのことが分かります。そこではミスヒットした時のボールの散り方などを検証するとミスヒットにもNANOVは強いようです。ナイスショットして真っ直ぐ飛ぶのは当たり前。いかにミスショットしたときに大きな怪我にならないかが重要です。やはり振りやすいクラブというのは試打してすぐ球筋に表れるのでお客さんも分かりやすいですね。私が毎日お客さんに接して思うのは自分が振りやすいと思うクラブが一番飛んでいるということです。いくら世間で人気があるクラブを渡しても本人が自身を持って振れるクラブでなければ飛ばないということです。NANOVも多くのゴルファーに振り易さを感じてもらえるクラブの一つだと思います。
ただ難を言えばこのシャフト結構動くのでしっかり自分に合うスペックを選んでください。リアルロフトも多く、非常に球がつかまるのでハードヒッターの方は左を気にしないといけないことになるかもしれません。シャフトが仕事をする分しっかりと自分に合うものを選択しないとボールが掴まりすぎることがあります。
弾道は非常に高く、キャリーで飛距離を稼ぐドライバーですね。ボールをよく拾うのであまり上がり過ぎるようであればロフト9度を選択した方がいいですね。シャフトも50g台、60g台とありますのでご自分に合ったシャフトを選択して下さい。
このクラブがヒットしたのは通常低反発モデルは上級者、ヘッドスピードが早いゴルファー向けが当たり前な時にナノVはヘッドスピード40前後のゴルファーが気持ちよく振れて飛ばせる低反発として開発されたのがよかったのかもしれません。